2006年 11月 16日
しーん |
何度も言っていることだと思うが、人間にとって真の静寂というのはあり得ない。
空気のない宇宙空間だったらあるのかもしれないが、人間はそこに生身の身体を送り込むことは出来ないのだ。
けれども音のある静寂は存在する、というより昔から定義されて来た。
ということは人はそういう感覚を常に必要として来たのだ。
漫画などに出てくる「しーん」という言葉が好きだ。
英語の「scene」という言葉を日本語的に発音すると同じになるけれど、静寂とは「場面」であり「景色」であると繋げてみると何やら納得させられてしまう。
「しーん」とした scene 。
言葉は面白い。
真夜中、団地の住民はそれぞれ好みの方向に頭を向けて眠っているのだろうが、箱形の建物はドミノのように同じ方向に整然と並んでいて、頭の向きどころか中に人が住んでいることさえ忘れてしまいそうになる時もある。
そんなひとときにやおら「しーん」の吹き出しをポケットから取り出して、右上あたりにペタッと貼付けてみたいものだ。
by digitaris
| 2006-11-16 15:40
| 1日1アート