2006年 08月 25日
能登和倉温泉「総湯」へ |
夏の暑い最中は温泉に入るのも、熱いコーヒーを飲むのも苦手というイシクラゲ氏。よりによってそんな夏に好んでやって来てやれ温泉に連れて行け、やれ美味いコーヒーを飲ませるところへ行きたいななどと我儘を宣う厄介なお客の頼みとあれば、重い腰も軽く見せにゃならん。
やれやれ。
今回はちょいと遠出をして、能登といえばその名も高い和倉温泉にやって来た。
さすが歴史のある温泉地、そこいらにあるぽっと出のクアハウスなどとは一味違う風格だ。中でも公衆浴場として近在の人々に親しまれているらしいのが「総湯」という同じく風格、別の言い方をすれば俗っぽさが漂う温泉施設。
街の公衆浴場では「入墨の方入場お断り」などと注意書きがしてあるのをよく見るが、ここはそんなことを気にするような了見はなさそうで、洗い場に一歩入ればいきなりカラフルで立派なもんもんの背中が目に飛び込んでくる。湯船にゆっくり浸かって(しかし結構熱いので長いこと入っていられない)湯煙に目が慣れてくると、他にも太ももや腕やら肩あたりに地味であるが入れ墨をしている人が多い。この入れ墨度の高さは何だろう。周りに漁師町が多いせいだろうか。
同時に親子連れもいれば相撲部らしき豊満ながたいの若者の集団も、皆ごちゃ混ぜでまことにカジュアルだ。
風呂場の奥にはいわゆる竜宮城をイメージしたような、赤い欄干が目に眩しい怪しげなディスプレーが施されているが、どことなく中途半端な感じ。イシクラゲ氏によればずいぶん前に来た時は更にいろいろな装飾や照明が施されていてかなり毒々しいものだったそうな。
ドアを隔てた外にある露天風呂に行ってみるとなるほど竹垣の向こうの裏庭の隅に真っ赤な、いかにも趣味の悪い珊瑚様のアイテムが転がっていた。
あまりにも俗悪で客の評判が悪く、失意のうちにマイナーチェンジせざるを得なかったのだろうか。それにしては撤去や後始末の仕方が雑で、そういう無頓着さがいかにもこういう処らしいとも云える。出来ればフルバージョンを拝みたかったところだが。
しかしここは純然たる天然温泉。前の話を蒸し返すようだが日本温泉協会とやらはこの「総湯」にも例の「天然温泉マーク」をペタンと貼付けようというのでござろうか?
こういう処にこそ「逆さクラゲ」が似合うと思うんだけどなあ。
by digitaris
| 2006-08-25 20:59
| 日の丸観光