2010年 06月 18日
シェフ、ジャブラニにニラもやし増やし |
ボールが、なかなか大変なもののようですね。
あ、ワールドカップの話なんですけどね。大会使用球のジャブラニさんというのが今までのボールのなかでも一番真球に近い形で、そのうえとても軽いらしい。
サッカー旧石器時代の話でなんですが、まあ僕なんかが使っていたのは皮が延びきって膨らみ相当いびつな形になったようなボールでしたし、石ころの混じった土のグラウンドが常識で雨になれば水分がしみ込みそのうえ泥まみれで石のように重くなるので、「真球」、「軽い」を論ずること自体すでに異次元です。ちなみに芝のグラウンドなんて三ッ沢競技場くらいしかなかったので、横浜市の大会で決勝トーナメントに勝ち進めない限り体験出来ることのない夢のピッチでしたねえ。
なんにせよ写真やテレビで見る限りつるつるで引っかかりどころのないようにみえるボールがどんなものかは触ってみないと想像もつきませんが、それ以前のところで今はあたりまえに誰でもやっている、ボールにカーブをかけるような蹴り方さえも知らなかったくらいですからなんとやらですわ。
ワールドカップ本番前くらいまでは千メートル、二千メートル級の高地の薄い空気がボールに微妙な影響を与えるなんていう分析が話題になっていましたけど、その条件を外してもボールそのものの振る舞いに選手たちが手こずっているような印象をなんとなく受けます。
オウンゴールが目につきますね。昨日のアルゼンチン対韓国戦のオウンゴールも、え?なんであんなに簡単に入っちゃったの?というような印象でした。すぐあとに流れたスローモーションの映像を観るとパク・チュヨンは自分の足に当たるまで全くボールの軌道がみえていなかったようだった。パク・チュヨンの手前の位置で味方の選手がまずボールに触るのを失敗し、さらにアルゼンチン選手が一人飛び込んで来ていたのでそれがブラインドになったのだろうとは思うのだけれど、それ以前にボールの軌道はある程度予測出来ているはずなのに足に当たる瞬間まで顔がボールの来るべき方向に向いたままだった。これは想像するに予測していた軌道とは違った風に飛んできたのではないか。さらに足に当たったのを感じ取った瞬間今度は右のゴールポスト付近に居るアルゼンチン選手の方向に顔を向けている。多分ボールが足に当たって跳ね返ったに違いない方向を向いたつもりなのだろうが、しかしそのときすでにボールは無惨にもゴールネットを揺らしていた。ジャブラニさんのせいなのか、メッシのキックがマジカルなのか、どっちか。
イングランドのゴールキーパーの後逸も印象的でした。マスコミなどから「キャッチミス」とキャッチフレーズのようにいじめられてかわいそうな気がしているのですが、グラウンダーのシュートなどもおかしな振る舞いを見せているような気がします。今まで観た試合のなかでもキーパーがグラウンダーのシュートを上手くキャッチ出来ないようなシーンがよく見受けられるからです。日本の川島はわりかし上手い具合にキャッチ出来ているような気がするのは、Jリーグの使用球が今年はジャブラニさんになっているせいかもしれません。
今のところ観れた試合のなかではサイドからのセンタリングやコーナーキック(あるいはゴールライン際からのフリーキック)からヘディングで豪快に得点するシーンも観たことがない。ヘディングシュートまでのシーンは何度も観るけれどほとんどバーの上をかすめています。ギリシャやセルビア、スイスなどの巨人ぞろいのチームは特にそういう得点をたよりに戦っている印象がありますがことごとく失敗しています。多分ヘディングした時点では枠に飛んでいる感覚に選手はなっていると思うのですが、それがすべてバーの上。それと関係あるかどうかは分かりませんが、昨日のイグアインの地面に叩き付けるようなヘディングシュートは印象的でした。特にスピードの速い低空気味のボールに合わせるのが難しそうです。日本の得点も仮に手前で大久保が触っていたらバーの上、という結果で終わっていたかもしれません。
そのうえ試合会場が高地、低地と交互に来るようなレギュレーションのチームはなかなかそれに対応するのは難しそうだし(つまり日本)、逆に低地か高地でしばらく続けて試合するようなレギュレーションのチームは、高低差が変わったときに突然実力を発揮出来なかったりする可能性もありそうです。
グループリーグ2回戦に突入しましたが、これ以降ジャブラニさんや高地とどうおつきあい出来るのか、この辺をポイントにしてワールドカップを楽しんでいきたいと思う。
by digitaris
| 2010-06-18 17:58
| サッカ−など